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平成19年第301回定例会(第3号 3月 5日)

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  1. 愛媛県議会 2007-03-05
    平成19年第301回定例会(第3号 3月 5日)


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    平成19年第301回定例会(第3号 3月 5日) 第301回愛媛県議会定例会会議録  第3号 平成19年3月5日(月曜日)   〇出席議員 47名   1番  欠     番   2番  豊 島 美 知   3番  大 沢 五 夫   4番  豊 田 康 志   5番  笹 岡 博 之   6番  鈴 木 俊 広   7番  徳 永 繁 樹   8番  高 山 康 人   9番  泉   圭 一   10番  欠     番   11番  欠     番   12番  阿 部 悦 子   13番  欠     番   14番  佐々木   泉   15番  住 田 省 三   16番  菅   良 二
      17番  渡 部   浩   18番  白 石   徹   19番  戒 能 潤之介   20番  赤 松 泰 伸   21番  欠     番   22番  欠     番   23番  井 上 和 久   24番  栗 林 新 吾   25番  村 上   要   26番  高 橋 克 麿   27番  本 宮   勇   28番  黒 川 洋 介   29番  河 野 忠 康   30番  明 比 昭 治   31番  猪 野 武 典   32番  田 中 多佳子   33番  篠 原   実   34番  成 見 憲 治   35番  藤 田 光 男   36番  笹 田 徳三郎   37番  寺 井   修   38番  西 原 進 平   39番  竹 田 祥 一   40番  岡 田 志 朗   41番  薬師寺 信 義   42番  仲 田 中 一   43番  帽 子 敏 信   44番  横 田 弘 之   45番  土 居 一 豊   46番  欠     番   47番  欠     番   48番  清 家 俊 蔵   49番  中 畑 保 一   50番  森 高 康 行   51番  柳 澤 正 三   52番  山 本 敏 孝   53番  谷 本 永 年   54番  玉 井 実 雄   55番  池 田 忠 幸   ―――――――――― 〇欠席議員 なし   ―――――――――― 〇欠  員 3名   ―――――――――― 〇出席理事者  知事            加 戸 守 行  副知事           吉野内 直 光  知事補佐官         永 野 英 詞  公営企業管理者       和 氣 政 次  総務部長          讀谷山 洋 司  企画情報部長        藤 岡   澄  県民環境部長        三 好 大三郎  保健福祉部長        濱 上 邦 子  経済労働部長        上 甲 啓 二  農林水産部長        高 浜 壮一郎  土木部長          清 水   裕  公営企業管理局長      相 原 博 昭  教育委員会委員       和 田 和 子  教育委員会委員教育長    野 本 俊 二  人事委員会委員       池 田 公 英  公安委員会委員       高 井   實  警察本部長         種 谷 良 二  監査委員          壺 内 紘 光  監査事務局長        河 野 恒 樹   ―――――――――― 〇出席事務局職員  事務局長          丹生谷 光 嘉  事務局次長総務課長事務取扱 北 川 一 徳  参事議事調査課長      菅   宜 登  参事政務調査室長      森 川 保 男  副参事総務課長補佐     門 田 正 文  副参事議事調査課長補佐   橋 本 千 鶴   ―――――――――― 〇本日の会議に付した事件  定第2号議案ないし定第67号議案      午前10時30分 開議 ○(篠原実議長) ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の会議録署名者薬師寺信義議員村上要議員を指名いたします。     ――――――――――――――――― ○(篠原実議長) これから、定第2号議案平成19年度愛媛県一般会計予算ないし定第67号議案を一括議題として、質疑を行います。 ○(藤田光男議員) 議長 ○(篠原実議長) 藤田光男議員藤田光男議員登壇〕 ○(藤田光男議員)(拍手)おはようございます。  さきの知事選挙におきましては、知事に随行して何度か地元を回りましたが、10カ所ほど御一緒いたしますと、地域住民に向けてのこれからの愛媛づくり、この知事の演説を暗記するぐらいになりましたが、その中から民主党を代表して、数点お伺いいたします。  最初は、知事の公約、輝くふるさと愛媛づくりにおける格差是正についてであります。  知事は、3期目のスタートに当たり、財政構造改革を不退転の決意で断行するとともに、「伸びるところはとことん伸ばす」「弱っている地域や人を、皆で支える」、この2つの視点で県政改革に取り組むとされております。  課題は、本県のさまざまな格差問題をどうするのかということでしょう。このところ、政府においても格差問題を緊急課題として、いろいろな施策を実施しようとしております。これまでは、例えば18歳までは愛媛で育て、税金もつぎ込んだ人たちが東京や中部、関西圏に出ていって、そこで生産し税収を上げていくと、それが交付税という形で戻されてきました。しかし、その交付税が削減されております。ですから、都市と地方の格差は国によってつくられたとも言えますし、これからも続くわけですから、あとは自己防衛しかない。  愛媛では農林水産業が低迷し、その活性化なしでは格差の拡大を阻止できません。例えば消費加工に付加価値をつけ消費をふやす、愛あるブランドとして愛媛産品を全国発信しておりますが、あらゆる手だてを講じて愛媛ブランドを確立することが一番です。  愛媛は東予、中予、南予でも格差があります。この数年で3,500人の雇用を創出しましたが、そのうち3,000人は松山です。東予は製造業、中予は三次産業、南予は一次産業が中心であって、一次産業のてこ入れが先決ですが、伸びるところをターゲットにするしかない。  一方、流通では、愛媛県のハンディキャップは橋です。しまなみ海道や瀬戸大橋など、本四架橋の通行料金が他の高速道路と比べ5〜6倍も高いのは、地域格差の最たるもの。企業誘致や物流コストの大変な負担になっております。  雇用に目を向けてみると、このところ団塊世代の大量退職もあり、一部では、バブル期並みの大量採用が到来しているとも言われております。ともあれ路頭に迷う若者が減ることは喜ばしいのですが、しかし、労働経済白書によりますと、非正社員は全年齢層で増加しており、賃金でも年収150万円未満が2割を超している。20代前半では、この10年間で約3倍に増大している。そして、非正社員の若年者には妻や夫がいない人が多く、配偶者がいる割合は正社員の半分程度にとどまっており、このことが少子化を促進する要因にもなっている。さらには、公的年金に加入していない人が多く、将来的には生活保護世帯の増加につながるなど、強い懸念が示されております。  有効求人倍率は、東京の1.41に対し愛媛は0.90、中央との格差を縮めるために何ができるか。若い世代の雇用をしっかりと支えなければならないが、それには求人者と求職者の間で情報が十分通じていないなどのミスマッチ解消も県のやるべき仕事です。  そこで、お伺いいたしますが、こうした地域間格差、所得格差そして雇用における身分と待遇の格差は、県民にとって非常に身近で県政の本質的問題でもありますので、輝くふるさと愛媛づくりの公約実現を図る中で、こうした広がる格差にどのように対処していくのかということです。  次は、県から市町への権限移譲についてであります。  これまで都道府県の権限とされていたものを、抜本的に市町村に事務権限の移譲を求める国の新地方行革指針を受け、それぞれで取り組んでおりますが、都道府県では権限移譲についてかなりの温度差があるようだし、また、受け手である市町村には消極的な意見が多く見受けられます。本県におきましては、市町別の権限移譲プログラムを策定して、2007年度から4カ年をかけ、段階的に進めていくようですが、ただ権限が拡大するはずの市町側に受け入れ能力や財政負担への不安が根強くあるようで、どのような形に落ちつくのか不透明な状況です。  県から市町への権限移譲を検討している県・市町権限移譲検討協議会によりますと、法令で関連する事務を一まとまりにし、受け入れを希望し準備の整った市町に移譲する方法で進めており、県は移譲に当たり、例えば生活保護の決定実施に関連する一連の事務を一つにまとめて一括して移譲するといったパッケージ方式を採用しております。しかし、新たな地方分権時代の形をつくるとする県の理念と裏腹に、少ない職員が複数の事務をかけ持ちしている小規模の市町を中心に、抵抗感は強いようです。  例えば、県は合併したので職員を削減しろという一方で、いや応なしに事務を押しつけてくるとか、年に何件あるかといった程度の事務でも、職員に業務を担えるだけの知識を習得させなければならず、極めて非効率的だとか、人事異動にも支障が出るとか、市町によって受け入れ姿勢の差が鮮明になっていて、同じレベルの権限を一律に移譲するのは難しいのではないのかと感じられます。  県民が身近な市役所や町役場で必要な事務手続を完結できれば、利便性が増すのは確かです。しかし、住民不在で県と市町が負担を押しつけ合う不毛な構図に陥らないよう、メリットを丁寧に説明し、権限移譲に幅広い理解を得ていくことが県に求められております。
     また、権限移譲に伴って重要な課題は、県と市町との二重行政をなくすということです。大阪府と大阪市は、中小企業に債務保証する信用保証や互いに3つの浄水場を持つ水道事業などの見直し、福岡県では、若者に仕事を紹介する国のハローワークと県のサポートセンターの2つの施設が向かい合っていたり、国の職業紹介と県の職業訓練、相互補完のはずが実情に合わなくなっていることの見直し、また、福島県のように、市町村が県から老人ホームの設置許可を渡され高齢者福祉事業を住民に近い市町村で一体的に進めようとしていたり、二重行政はなくし財源を有効に使う工夫が各地でなされております。  そこで、お伺いいたしますが、1つ目は、県においては、権限移譲において市町の温度差をどのように把握し、市町側の財政的、人的支援の要望にどのようにこたえていくつもりなのかということ。  2つ目は、二重行政では共倒れになりかねません。県と市町との境界線を考え直し、権限の線引きを再設計する時期にあると思うのですが、いかがでしょうか。  次は、出産環境の充実についてであります。  2005年の出生率は1.26で、過去最低を大幅に更新しましたが、昨年2006年に生まれた赤ちゃんは、前年より3万2,000人ふえて、出生率が1.3台に回復しそうだということで、景気回復に伴い雇用が安定したことが結婚や出産につながったようですが、だからといって少子化の流れに歯どめがかかったというわけではないでしょう。そのため、教育や医療そして働き手の負担など、ひずみが随所に見られ、年金100年安心も吹っ飛んでしまいました。  国会審議におきましても、柳澤厚生労働大臣の女性を機械に例えた発言が物議を醸しておりますし、各県の主な少子化対策でも、出会い、結婚、出産、子育て、再就職など、あの手この手で支援策を打ち出しておりますが、そもそも結婚や出産のような個人の価値観に国や自治体が介入するには、一定の限界があります。まずは産みやすい、育てやすい環境整備が先ではないでしょうか。  そんな中で、産科医や産科施設の不足など、出産環境は全国的に切実な問題となっております。私の地元でも、産科をやめてしまった病院、産科医が減少している地域が次々出ております。医療調査によりますと、この1年半で全国で8.3%が分娩の取り扱いをやめております。  産科医は使命感を支えに、私生活を犠牲にして出産の場に立ち会っていますが、疲労の度合いは年々強まっていると思われます。それゆえ、産科は労働条件が余りにも過酷だといった理由で、若手から敬遠される傾向が続いていましたが、研修医制度が変わったことで、医師不足が一気に加速しました。  また、多くの医師にとって産科が倦厭される理由の筆頭は、産科は医療訴訟が多いということでしょう。産科は帝王切開などを行う外科であるばかりか、分娩というものはいつどう急変するかわかりません。出産時の大量出血などで母体に緊急治療が必要なケースは、少なくとも年間2,300件以上、250件に1件の割合で妊産婦が生命の危機にさらされていることが示されておりますが、中でも産科医が大きな打撃を受けたのは、福島県の産科医逮捕事件、医師の過失かどうか不明瞭なケースで刑事事件に問われてしまったことが、産科医希望の大きな障害になっていると聞き及んでおります。  本県においても深刻な事態が進行しており、地域の中核病院からの産科撤退によって、妊婦が車で1時間、2時間かかって医療機関に行かなければならない。陣痛で移動中の車中での出産や出血があっても、受診をためらって治療時期を逸してしまうこともあるでしょう。県民も自治体も、産科医が身近に存在し、必要なときにいつでも受診できることを望んでおります。  こんな中、四国中央市では、地元で産みたいという市民の声にこたえて、産科医療施設整備費助成金制度を設けて市内の病院に適用し、産科復活の呼び水にしようとしております。こうした行政の支援あるいは民間の積極的な取り組みは、率直に歓迎したいのですが、ただ全県的にも深刻化する産科不足そして医師や助産師不足という課題は、依然深刻で状況の改善が待たれます。  地域で産めない、あるいは安心して子供を産めない地域は、若者に見捨てられ荒廃していきます。言葉で幾ら郷土愛をうたっても、未来を担う命の誕生を本気で大事に考えていかなければなりません。そして、子供の数がふえた、減ったと一喜一憂するよりも、1人の子供が育ちやすい環境をつくることの方がずっと重要ではないでしょうか。  そこで、お伺いいたしますが、1つ目は、本県においても出産の場は急減し、地域拠点に集約が進んでおりますが、産科と産科医の状況はどのようになっているのかということ。  2つ目は、安心して地域で産める環境に向けて、どのような手だてを講じていくつもりなのかということです。  次は、監査体制の強化についてであります。  全国の自治体が、予算執行状況などをチェックする監査体制の強化に動き出しております。公認会計士などの専門家を起用するケースがふえているほか、監査法人の活用を計画する例もあります。官製談合に絡んだ知事の犯罪や裏金問題が相次ぐ中、コンプライアンス、いわゆる法令遵守の重視は自治体にとって緊急課題で、国も取り組み強化を求めております。  監査制度は、財政面や事務執行が適切かといった点を監査委員がチェックする仕組みですが、1946年の制度創設以来、委員の定数、都道府県では4人を見直されることはなかったのですが、昨年6月の法改正で増員が可能になり、体制の強化が本格化しました。  鳥取県は、新年度から委員を2人ふやし6人体制にします。増員分は、公認会計士や税理士を充てます。質の向上とともに、手薄だった県の出先機関などの監査も充実させるようです。裏金問題が発覚した岐阜県も定数を2人ふやし、学識経験者を採用し、委員の職務を補助する事務局が事前に実施していた調査に監査法人を活用します。  事務局の体制強化も進んでおります。東京都では新年度から3年間の期限つきで、職員に公認会計士を採用します。長崎県も税理士を起用する方針です。都道府県レベルで見ると、監査委員は知事の指揮監督を受けない独立した執行機関ですが、公認会計士が委員を務めるのは12の都府県のみで、大半は半数が議員枠で、34の都府県では元幹部が天下りしており、十分に機能していないとの指摘がなされております。  そこで、お伺いいたしますが、1つ目は、本県においては、さきの県警の特別監査などからも、県民から監査の充実が求められておりますので、監査委員の増員、事務局体制の充実など、監査体制の強化を図るべきではないのかということ。  2つ目は、外部監査による健全化、継続性を担保するための監視機関、管理機関が必要になっておりますので、包括外部監査で監査人が指摘した改善策の実行をチェックする組織を設立してはどうかということです。  3つ目は、監査の透明性や受検機関に対する牽制機能を高めるねらいからも、監査結果を全面公開してはどうかということです。従来、監査結果については、指摘事項の一部とその指摘事項で講じた措置を公表しておりますが、もっと踏み込んで、指導事項も含め県公報で公表後、県監査事務局のホームページでも速やかに全情報を公開してはどうかということです。  最後の質問は、談合防止についてであります。  官製談合については、この1年だけでも橋梁談合事件防衛施設庁談合事件、先日ゼネコン5社の5人が逮捕された名古屋地下鉄談合事件、そして名古屋下水道談合事件、そしてまた、国土交通省水門談合事件と、もう数え上げれば切りがない。そして、福島県の前知事、和歌山県の現職知事、宮崎県でも前知事が逮捕され、公共事業をめぐる官製談合事件では、いずれも参加業者を行政側の裁量で決める指名競争入札が舞台となっており、透明性の高い一般競争入札の普及は急務となっております。  そんな中、12月の全国知事会では、入札制度の改革指針を決め談合根絶宣言を採択しました。その指針は、早期に1,000万円以上の公共工事原則一般競争入札にする、談合が行いにくい電子入札を3年以内に導入する、入札談合にかかわる違法、不正行為を行った業者は少なくとも12カ月以上の入札参加停止にする、違約金の金額を契約金の20%以上にするなどとしております。また、一般競争入札の参加条件として、地元業者に限定する場合でも、公正な競争が確保できるよう応札可能者は20から30社以上にすることや、課長級以上の職員は、退職前5年間に担当した職務と密接な関係にある企業への天下りを最低2年間制限するとしております。  県はこの指針を受け、一般競争入札談合防止策の拡大など制度改善に取り組むようで、大いに期待しているところであります。  県民が求める入札改革の意図は、談合防止による工事費の引き下げと工事の質の確保、この両立です。ただ価格競争だけでは地元企業の衰退を招きやすく、大手ゼネコンと勝負して地元企業がつぶれてしまうという懸念があります。地元企業は雇用の受け皿であり、地域経済を支えている面がありますので、例えば日常のボランティア活動や災害復旧への協力など、地域貢献の評価とかあるいは企業の財務内容や信用力の審査に合格しなければ入札に参加できないとする入札ボンド制度の導入、こういった手法で公共工事入札基準を明示し、総合的に評価する制度で品質を確保する手だても必要です。企業側も、財務基盤を強化するとともに技術力を高めなければなりません。  そこで、お伺いいたしますが、1つ目は、今回の入札契約の改善策において、地元企業地域貢献をどのように評価するのか。また、競争性の中でどのように地元企業の育成を図っていくのかということ。  2つ目は、一般競争入札拡大談合防止工事費引き下げ取り組みながらも、工事の品質確保をどのように図っていくのかということです。  次に、自治体を舞台にした談合事件の広がりは、従来は一罰百戒的な摘発が繰り返されてはいましたけれども、企業にはなお、必要悪との受けとめがあり、不正な構造を温存していて、そこへある日突然一斉摘発が始まったため、衝撃は大きいものがありました。転換点は橋梁談合で、検察は時代の要請で検察の役割は変わる、談合摘発は一過性のものではなく、今後、大中小すべて対象になるとしました。宮崎県知事の事件では、検察ではなく地元県警が捜査に当たりました。警察の摘発による談合、競売入札妨害事件は、昨年は42件で平成元年以降最も多く、6人の首長が摘発されています。まさに談合は、どこでも摘発される普通の事件になりました。警察サイドは長年の取り組みが実を結んでいるとし、検察庁の摘発に警察側も刺激を受けて積極的になっているとか、また、談合に対する社会の目が厳しくなっており、警察は摘発でこたえなければいけないと話しております。  そこで、県警本部長にお伺いいたしますが、日本の社会や制度にはびこる悪弊を改革するきっかけは、いつも捜査当局による摘発からであって、談合についてもこの機を逃さず、談合根絶に向け、時代の要請、県民の厳しい批判にこたえていただきたいのですが、県警の取り組みについてお伺いいたします。  最後に、一言皆さんにお礼を申し上げます。  平成3年から4期16年間、何とか無事務め上げることができました。これからの人生を考え、今任期で勇退することにしましたが、議員の皆様方には会派を超えて親しく温かく交わっていただきましたし、理事者の方々にはいつも誠意ある御協力をいただき、地元住民とのパイプ役を果たすことができました。議員の皆様そして理事者の皆様には、心から感謝を申し上げる次第でございます。  引退しましても、競走馬のディープインパクトのように種馬になるというわけにはいきませんが、今後は皆さんの活動を側面から見させていただきながら、親の介護とスポーツを中心としたボランティア活動を続けてまいる所存でございます。  地域の方々にとって役に立つ十分な活動であったかどうかわかりませんが、私自身は思い残すことのない議員活動ができたことを誇りとし、胸を張って去っていきます。  最後に、愛読する聖書から、「天の下では、何事にも定まった時期があり、すべての営みには時がある」  皆様方にはただただ感謝を、お礼を申し上げ、終わりといたします。  ありがとうございました。(拍手) ○(篠原実議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(加戸守行知事) 議長 ○(篠原実議長) 加戸知事 〔加戸守行知事登壇〕 ○(加戸守行知事) 民主党を代表しての藤田議員の質問に答弁いたします。  まず、知事の公約、輝くふるさと愛媛づくりの実現を図る中で、格差是正にどう対処していくのかとのお尋ねでございました。  格差是正の問題、特に地域間格差の解消は、これまでの全国総合開発計画の理念が国土の均衡ある発展であり続けましたように、戦後の我が国の一貫した課題でございますが、近年では、経済のグローバル化地域間競争の激化、公共事業の削減等を背景に、大都市圏との格差や県内での地域間格差が顕在化しているところでございます。また、就職氷河期に遭遇した若年者のニート、フリーターの問題を初め、非正規雇用の増大などにより個人間の格差が新たな課題として生じるなど、格差是正の問題は複雑多岐にわたっており、ひとり愛媛県の力をもってしては解決し得ない難題とも言えようかと思います。  このため、平成19年度の当初予算編成に当たりましては、国の施策とも連動しながら、まずは喫緊の課題である若年者の雇用対策を初め、農林水産業の再生、製造業の競争力強化高速道路の南予延伸など、産業を支える基盤整備等に財源配分を集中するほか、お話のございました本四架橋の通行料金値下げについても積極的に取り組みたいと考えております。  なお、このたび道路特定財源の使途の一つとして、全国の高速道路料金値下げ社会的実験が始まる方向でもございます。これにあわせまして、愛媛県といたしましては、国に本四3橋の料金値下げに関しても社会的実験を行っていただくよう強く要請してまいったところでございますけれども、現時点で国土交通省の方からは前向きの方の感触を得ておるわけでございまして、これを一つの突破口として、何らかの方向性が出ればありがたいなと期待をしているところでもございます。  とりわけ人口の大幅減少や農林水産業の不振等に陥っております南予地域の活性化は、輝くふるさと愛媛づくりのために欠かすことのできない課題でありまして、弱っている地域や人をみんなで支える精神で、地元の自主的な取り組みを精いっぱい支えていく覚悟でありますので、議員各位を初め、県民の皆様の御理解と御協力をお願いしたいと思っております。  次に、権限移譲の関係でございます。  市町の温度差をどのように把握し、市町側の財政的、人的支援要望にどのようにこたえるのかとのお尋ねでございました。  本県では、従来から市町への権限移譲を積極的に推進し、全国でも上位の実績を上げておりますが、さらなる権限移譲を推進するため、昨年新たに県・市町権限移譲検討協議会を設置し、本年1月、市町ごとの移譲事務や移譲時期を盛り込んだ権限移譲具体化プログラムを策定いたしました。  このプログラムの策定に当たりましては、検討協議会等において市町の意向や要望等を踏まえ十分な協議調整を行いましたが、各市町とも権限移譲は住民サービスの向上を図るためには重要であるとの認識のもと、積極的な検討がなされました結果、市町により受け入れ体制に応じて移譲事務や移譲時期はそれぞれ異なるものはございますが、20市町すべてに対して新たに37パッケージ、705事務が段階的に移譲されることとなったところでございます。  また、市町からの要望を踏まえ、財政的支援につきましては、これまでの事務費に加えまして、今回新たに初年度に要する経費に対しても交付金で支援するなど、支援措置を強化いたしましたほか、必要に応じて県職員の派遣や人事交流等の人的支援も行うことにいたしておりまして、今後とも必要な支援に努めてまいりたいと考えております。  出産環境の充実に関しまして、安心して地域で産める環境に向け、どのような手だてを講じていくつもりなのかとのお尋ねでございました。  本県では、県内のどこでも安心して出産でき、緊急時には速やかに高度な医療を受けることができる体制の整備に向けて、平成15年度には県立中央病院に総合周産期母子医療センターを整備いたしますとともに、平成17年度には東・中・南予でも中心的な役割を担っている4病院を地域周産期母子医療センターとして認定し、地域の病院あるいは診療所との連携強化に努めておりますほか、新生児救急車を配備し、搬送体制の整備を図ってきたところでございます。  しかしながら、産科医の不足や地域偏在は深刻な状況にございますことから、平成19年度に新たに設置する愛媛県保健医療対策協議会において、当面の有効な方策として考えられる医師、医療機関を含めた医療資源の集約化、重点化について検討したいと考えておりまして、現在、その必要性や実施の適否等について、関係機関と協議を進めているところでございます。  また、産科医が不足する原因としましては、これも厚生労働省の方で繰り返しお話を聞くわけでもございますが、医療訴訟がこの産科の場合に極めて多いということ、それから産科医の勤務時間が不規則であり、かつ長時間にわたるなどのことがございまして、これらの改善を図ることが重要でありますことから、平成19年度に創設される予定の無過失補償制度の充実や診療報酬上の配慮など、有効な施策の推進を全国知事会等を通じて引き続き国に対して要望してまいりたいと思っております。  このたび藤田議員におかれましては御勇退の由、大変残念でございます。先ほどの質問に対します私の答弁が、これが最後の機会となりましたけれども、これまでの多年にわたります積極的な意見表明、御助言等々に感謝申し上げますが、県政壇上から去られました後にありましても、それぞれの自分のお考えになる分野での御活躍を期待申し上げております。  本当にありがとうございました。  その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。 ○(讀谷山洋司総務部長) 議長 ○(篠原実議長) 讀谷山総務部長 〔讀谷山洋司総務部長登壇〕 ○(讀谷山洋司総務部長) 藤田議員にお答えいたします。  まず、県から市町への権限移譲に関しまして、二重行政をなくすため、県と市町との権限の線引きを再設計する時期にあると思うがどうかとのお尋ねでございますけれども、最小のコストで県民満足の最大化を目指していきますためには、県と市町が適切に役割分担を行っていくことが必要であると考えられますので、藤田議員御指摘の二重行政の問題も含め、大切なのは県民の目線に合わせた対応ということだと考えておりまして、環境の変化に対応した望ましい県と市町のあり方を模索していくことが重要な課題であると認識しているところでございます。  こうした課題に対し、県としましては、可能な限り市町村合併により行財政基盤が強化された市町におきまして、住民に身近な事務がいわばワンストップ的に実施されるよう支援に努めますとともに、県は本来の役割であります広域自治体として、全県的な視点でより広域的な政策や専門的な業務に特化していく方向で、県と市町の役割分担を明確にしていくことが必要であると考えているところでございます。  このような観点から、県としましてはやはり市町への権限移譲などを進めることが重要であると考えておりますので、このほど策定しました愛媛県権限移譲推進指針に基づきまして、権限移譲を積極的に取り組むなどの対応を行ってまいりたいと考えておりますが、いずれにしましても、今後とも、市町と十分協議を行っていきながら、市町における一体的な行政サービスの提供等の推進に努めてまいりたいと考えているところでございます。  次に、監査体制に関しまして、監査委員の増員、事務局体制の充実など、監査体制の強化を図るべきではないかとのお尋ねでございますけれども、監査体制の強化を図りますためには、監査委員の定数という点に加えまして、事務局職員の人員や関係予算額など、監査委員を支える事務局機能の強化もあわせて検討する必要があると考えているところでございますけれども、本県におきましては、平成16年度に事務局職員を2名増員し15名体制といたしますなど、適宜、監査機能の充実に努めてきているところでございます。  今回の地方自治法改正による監査制度の見直しにつきましては、地方公共団体の実情に応じて監査機能の充実を図る観点から、識見を有する者から選任する監査委員の定数を条例で増加できることとされたものでありまして、お話のとおり東京都や鳥取県など3都県で監査委員を増員する予定であると聞いているところでございます。  ただ本県の場合、御承知のとおり極めて厳しい財政状況や徹底した人件費抑制が必要な現状にございまして、当面、現体制で監査の実効性向上を図ってもらいたいと考えておりますので、監査委員の増員など監査体制の強化につきましては、今後、他県の動向等も踏まえながら検討してまいりたいと考えているところでございます。  次に、包括外部監査で監査人が指摘した改善策の実行をチェックする組織を設立してはどうかとのお尋ねでございますけれども、包括外部監査制度は地方自治体の組織に属さない公認会計士や弁護士、税理士等の専門家から選ばれました外部監査人が、みずからの判断でテーマや対象を定めまして監査を行うという制度でございますけれども、本県では平成11年度からこの制度を導入いたしまして、毎年度、監査テーマを変えまして実施してきているところでございまして、その有効活用により、一層公正で効果的な行政運営の確保が図られるものと期待されているところでございます。  この監査結果への対応につきましては、関係部局におきまして外部監査人の指摘等を踏まえ、事務事業の再点検や改善等を行いますとともに、講じた措置の結果につきましては監査委員に通知をいたしまして、監査委員がこれを公表しておりますほか、指摘等の中には対応にある程度時間を要するものや引き続き検討を要する事項もありますことから、継続的に調査するなど、監査結果が事務改善等に生かされるよう努めているところでございます。  御提案の改善策の実行状況をチェックする組織の設立につきましては、外部監査の実効性を高め、改善の継続性を担保する等の効果が期待できますものの、県組織のスリム化が要請される現状にもありますことから、現在のところ組織の新設は困難と考えておりますけれども、外部監査結果が県の行政改革等にさらに効果的かつ確実に活用できるための方策につきまして、引き続き検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(濱上邦子保健福祉部長) 議長 ○(篠原実議長) 濱上保健福祉部長 〔濱上邦子保健福祉部長登壇〕 ○(濱上邦子保健福祉部長) 藤田議員にお答えをいたします。  出産環境の充実に関しまして、本県の産科と産科医の状況はどのようになっているのかとのお尋ねでございました。  県が昨年8月現在で調査いたしましたところ、県内で分娩を取り扱っている医療機関の数は11市町の病院16、診療所29、合計45施設であり、また、産科医の数は常勤82名、非常勤31名の合計113名となっておりまして、いずれも減少傾向にございます。  こうした状況にあって、地域によっては新生児を含めた周産期医療の中核的な役割を担ってきた病院の産科部門が休止したところもあること、また、県内の分娩の半数以上を取り扱っております29の診療所について、常勤医師の約45%が60歳以上で、高齢化が進んでいることなどから、今後、実働可能な医師の数が減少することが予想される状況にあり、本県におきましても全国と同様、産科と産科医の不足は深刻な問題となっております。  以上でございます。 ○(清水裕土木部長) 議長 ○(篠原実議長) 清水土木部長 〔清水裕土木部長登壇〕 ○(清水裕土木部長) 藤田議員にお答えいたします。  談合防止につきまして、2点お尋ねがございました。  まず、地元企業地域貢献をどのように評価するのか。また、競争性の中でどのように地元企業の育成を図っていくのかとのお尋ねでございました。  県の入札契約制度につきましては、先般、開催いたしました愛媛県建設業審議会で一般競争入札の拡大、総合評価落札方式の拡充などの答申が得られましたことから、19年度から新たな改善策を実施することとしております。  お尋ねの地元企業地域貢献の点では、本年度から試行導入いたしました簡易型総合評価落札方式におきまして、県と建設団体との災害協定に基づく活動実績、市町の要請による災害ボランティア活動の参加実績を評価項目として取り入れるとともに、19年度から土木部の出先機関の広範囲な事業で試行予定の、より簡易な総合評価落札方式による一般競争入札でも、これらの地域貢献度を加味した総合評価を行うこととしております。  なお、建設業者の格付の点では、既に17年度から経営状況や工事成績に加え、障害者の雇用や地域貢献度などを加点要素としており、現在、検討中の19〜20年度格付につきましても、同様の配慮を予定しております。  一方、一般競争入札対象工事の大幅な拡大は、利益を度外視した過度の価格競争の誘発や大手企業との競合など、経営基盤の脆弱な地元企業への影響も懸念されるところであります。そこで、全国知事会の指針や中小企業の受注機会確保を求める官公需法の趣旨も考慮し、一般競争入札の入札参加要件につきましては、従来の指名競争入札以上の応札可能者数の確保により競争性を高めつつ、地元企業の育成の面から、原則として地元企業を中心に地方局管内で応札可能者が20から30社以上となるような地域要件の設定を行いたいと考えております。  県といたしましては、今回の制度改善を通じて、これまでの入札契約制度をより競争性、透明性の高いものとするとともに、その運用状況を見きわめながら、地元建設産業の育成にも配慮してまいりたいと考えております。  次に、一般競争入札拡大談合防止工事費引き下げ取り組みながらも、工事の品質確保をどのように図っていくかとのお尋ねでした。  一般競争入札の拡大に伴い競争性は拡大いたしますが、逆に技術力の劣る企業の無理な受注などにより、工事の品質に悪影響が及ぶことも懸念されますことから、企業の技術力の適正な評価や工事の適正な施工が必要と考えております。  このため、企業の技術力の評価の点では、入札価格に加え入札参加企業の施工計画や実績、工事成績等の技術力の内容を審査し、価格と技術力の両面を評価して落札者を決定する総合評価落札方式を18年度から試行しており、19年度以降も対象工事の範囲を拡大して実施するなど、企業の技術力を加味した落札決定により、品質確保に努めることとしております。  また、適正な施工の確保の点では、現在、低入札案件等で工事現場において監督頻度の増加や抜き打ちによる施工体制の点検を強化することにより、不良工事や手抜き工事の防止、工事現場の安全確保、不適切な下請契約の防止に努めております。  今後はさらに現場での指導監督の強化を図りながら、公共工事の品質確保に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(種谷良二警察本部長) 議長
    ○(篠原実議長) 種谷警察本部長 〔種谷良二警察本部長登壇〕 ○(種谷良二警察本部長) 藤田議員にお答えいたします。  談合根絶に向けて県警はどのように取り組むかとのお尋ねでございます。  県警では、政治や行政をめぐる不正の根絶を求める県民の皆様から寄せられる期待が大きいものと考えまして、従来から贈収賄や偽計入札妨害そして談合等に対しまして、不正の実態に応じた罰則を適用して、構造的な不正の追及に努めてまいったところでございます。  県警では、昨年、伊方町長らによる公共工事発注をめぐる贈収賄事件を検挙いたしましたほか、談合事件や偽計入札妨害事件につきましては、過去10年間において平成10年に談合事件を1件、平成13年に偽計入札妨害事件を1件、平成15年に偽計入札妨害事件を2件と合計4件を検挙してきております。これらのうちの偽計入札妨害事件につきましては、いずれも贈収賄事件の検挙に結びついているところでございます。  談合事件等の検挙につきましては、構造的な不正を追求する捜査活動の一環でございまして、県警といたしましては、県民の皆様の期待にこたえるべく、引き続き不正の追及に努めてまいる所存でございます。  以上でございます。 ○(壺内紘光監査委員) 議長 ○(篠原実議長) 壺内監査委員 〔壺内紘光監査委員登壇〕 ○(壺内紘光監査委員) 藤田議員監査体制の強化に関する御質問のうち、指導事項も含め監査結果を全面公開してはどうかという御質問でございましたが、現在、定期監査の指摘事項につきましては、監査委員が定めました定期監査結果の取り扱い基準により整理をいたしておりまして、県議会、知事等に報告の上で県報に掲載いたします公表事項、それから所属長に対する文書通知事項、それと事務局職員による予備監査におけます口頭指導事項の3つの区分に分類をいたしております。  ちなみに、平成17年度の財務監査におきましては、対象293機関で公表事項が55件、文書通知事項が156件、それから口頭指導事項が233件、計444件の指摘をいたしております。  御質問の全情報を公開することについてでございますが、監査委員といたしましては、軽易な事務処理ミスに当たります口頭指導事項の公開は必ずしも適当とは考えておりませんが、それ以外の指摘事項を公開することにつきましては、お話のとおり監査の透明性を高めますとともに、不適切支出の抑止効果の有効な手段の一つと考えます。  このため、今後、定期監査結果の取り扱い基準を見直しをいたしまして、平成19年度以降の財務にかかわる定期監査の結果につきましては、現在の文書通知事項の中で、収入及び支出に関する不適切な事項につきましては、公表事項と同様、県報に掲載いたしますとともに、監査事務局のホームページで公開する方向で検討を進めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 ○(篠原実議長) 休憩いたします。  午後1時から再開いたします。      午前11時32分 休憩   ―――――――――――――――――      午後1時 再開 ○(篠原実議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(井上和久議員) 議長 ○(篠原実議長) 井上和久議員 〔井上和久議員登壇〕 ○(井上和久議員)(拍手)公明党の井上でございます。  公明党・新政クラブを代表いたしまして、質問をいたします。知事初め関係者の御答弁をお願い申し上げます。  まず初めに、第3期加戸県政の目指すものについてお尋ねをいたします。  いよいよ2007年度の当初予算の審議が始まっております。第3期加戸県政のあり方について、本議会におきましても種々議論が交わされておりますが、推薦した政党として、若干のお尋ねをいたしたいと思います。  その第1は、財政的に厳しい状況の中で、県民ニーズにどのようにこたえるかということであります。  選挙戦以前から今日まで、財源不足あるいは超緊縮型予算などが公然と当たり前のように語られております。俗言に「ない袖は振れぬ」という言葉がありますが、多くの県民は知事の采配をじっと見守っているのであります。  かつて小泉首相が施政方針演説の中で米百俵の話を引用をされ、目下を我慢し、あすに備えると訴えられたことがございました。大変なときは知事と県民一人一人が文字どおり協働をすることが大切ではないかと思います。私はこの質問に当たりまして、童門冬二さんの「上杉鷹山」を読み返してみましたが、極貧の米沢藩を財政的にもまた、藩政としても見事にこれを蘇生させました。そのかぎとなったのが、鷹山が初入城の際に持ち込んだ小さな炭の火種でありました。これを連帯する藩士が1人、また、1人と持ち帰り、守り、拡大して藩政改革の協働のシンボルとしたのであります。ケネディ大統領が最も尊敬できる日本人はとの問いに、上杉鷹山の名を挙げたことはよく知られているところであります。  財政再建待ったなしと言われる中での第3期加戸県政のこの協働のかぎになるものは何であるのか、知事の御所見をお伺いをいたします。  次に、政策の展開についてお伺いをいたします。  財政構造改革を推進しておりますと、ややもすると予算をいかに減らすかとか、事業をいかにやめるかに重点が置かれて、どうしても縮小均衡の考え方に陥らざるを得ません。しかしながら、時代は今まさに歴史的な変革期を迎えており、経済のグローバル化あるいは本格的な人口減少の時代の到来、また、少子高齢化の進展など、地方を取り巻く環境も大きく変化をしているのであります。  さらに、地方分権が進む中で、時代の変化に対応して、地方が独自に政策を立案し推進することが強く求められており、これからの地方自治体はいかに政策官庁への転換を図るかが求められていると思うのであります。3期目の加戸県政においても、ぜひこの政策官庁愛媛と言われるような取り組みを進めてほしいと願うわけであります。  そのためには、今後の本県の政策の面での基本指針であります県長期計画の後期実施計画の着実な推進が求められると思うのでありますが、この後期実施計画をどのように推進をしていくのかお伺いをいたします。  さらに、政策官庁とならんとするためには、的確に政策課題を把握、分析し、それを政策として立案し、迅速に意思決定するシステムが必要だと考えます。他県においては、知事直属の政策審議室を設け、知事をトップに全庁的な視点から政策審議を行う体制が整えられているところでありますが、本県においても、そのようなシステムを導入する考えはないのかお伺いをいたします。  次に、財政逼迫の上でなされる行政にとりましては、最も注目されることは、プライオリティーといいますか、優先順位をどうするかということではないかと思います。施策に関係ある方々は、だれもが自分たちのところをまず取り組んでほしいと願うことは自然なことであり、無理からぬところであります。この個人的な利害や感情もさることながら、中立公平による判断と基本的な方向に基づく取捨選択が決定力を持つものと思います。幅広い選択肢とは思いますが、願わくはこの判断の基本に人間そのものを据えていただき、生命の尊厳に帰一せしむることを願うものであります。この優先順位のとらえ方について、知事の御所見をお伺いをいたします。  次に、道州制と市町村合併についてお尋ねをいたします。  まず、御案内のとおり平成の大合併は、愛媛はもとより全国でも大いに推進され、99年の合併特例法の改正当時、全国3,200を超えていた市町村数は2006年の4月時点で1,820にまでなりました。多少旧聞に属するのでありますが、昨年の11月4日付で朝日新聞による「地方分権とまちづくり」という、合併を含め、地方自治体に関するアンケート調査の結果が発表されておりました。特徴的な事項につき若干見てみたいと思います。  まず、全国的に進んでいる合併について、「よかった」47%、「よくなかった」30%となっており、よかった理由の第1は、「議員や公務員が減らせる」が45%、次いで「自治体の仕事が効率化する」25%の順となっており、この逆に、よくなかった理由の第1は、「地域の個性や伝統が薄らぐ」31%、次いで「住民の声が届きにくい」27%であります。ただ合併しなかったところの方は、「今後、合併しない方がよい」が66%、「する方がよい」は21%と、合併しなかったことを肯定するパーセントが高いのであります。  次のアンケート項目では、都会と田舎、自由に選べるとすれば、どちらに住みたいかという問題であります。「田舎」は61%、「都会」33%と、住むなら田舎と示されました。ただし、今住んでいるところに80%の人が愛着を感じております。このことから、移住、定住の至難さがうかがえるのであります。  一方、住民から見て、今の市町村はどのように評価しているかでは、「満足」「ある程度満足」は43%、また、「満足していない」「余り満足していない」が55%と半数を超えているのであります。  そこで、お伺いをいたします。  合併先進県である本県における合併後の住民意識はいかなるものか、調査があればお示しいただきたいと思いますし、未調査であれば、ぜひ調べていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  私の個人的な見解でもございますが、合併は大いに進めるべきだと思います。道州制を考えれば、平成第2次合併が実施されてしかるべきものと考えるものでありますが、御所見をお伺いをいたします。  次に、道州制についてお尋ねをいたします。  安倍総理が3年以内の道州制ビジョンづくりを公約し、担当大臣を任命いたしました。この取り組みにより、半世紀と言われる議論が大きく動き出したのではないかと思います。  まず、道州制特区推進法が昨年の末に成立をし、8項目の国の権限を北海道に移すという具体的な動きになったのであります。全国知事会においても、1月の総会で道州制に関する基本的考え方をまとめられました。その考え方について、知事の御見解と推進あるいは慎重、双方の意見の相違点並びにこの中にあります「内政事務は地方が担当」とある、この内政事務とはどの範囲を指すのか、お教えをいただきたいと思います。  次に、県民の健康を守る視点からお尋ねをいたします。  最近、本県発の2つの臓器移植の問題が大きな話題となっております。1つは、宇和島徳洲会病院を舞台とする腎移植の件と、一方は、県立新居浜病院における県内初の法的脳死判定による多臓器移植であります。  人間再生とも言うべき臓器移植は、法施行後10年を迎えようとしております。  まず、宇和島における移植は、当初臓器売買の疑いが発端で、現在は病気腎移植の是非が問われております。先日も病気腎移植推進を求める要望書が6万人分の署名とともに厚労省に提出をされたと報道されております。日本移植学会では、この病気腎移植を認めない方向を倫理規程に盛り込む予定だと言われ、まさに賛否両論の渦中にあると思うのであります。  こうした問題が起こる背後には、腎臓患者の増加、すなわち透析患者の増加やドナーの絶対的な不足あるいは医療技術の進歩と生命倫理の関連など、種々のものがあると考えられます。ただ本来なくなる命が救われたという現実は、何よりも強いものだと思います。  そこで、県はこの問題についてどのような取り組みなり行政指導なりをなされたのか、そのてんまつをお伺いをいたします。  次に、県内初となります県立新居浜病院における脳死判定による臓器移植は、移植法の趣旨本来そのもののような移植であり、20代の男性本人はもとより、関係者に敬意を評するものであります。また、院長を初め関係スタッフの皆様方の御苦労を多とするものであります。  報道によれば、5施設で5人の方に臓器が提供されたということで、北海道大学病院、埼玉医科大学病院など、県外にも搬送されたということであります。移植後の経過はどのようになっているのか、多くの県民が注目をいたしております。お尋ねをいたします。  まず、臓器移植のかぎはドナーにあると思いますが、この推進について臓器提供意思表示カードが用いられております。県下におけるこの意思表示カードの現状と推移をお伺いをいたします。  また、レシピエントといいます待機者といいますが、移植を希望している人は県下にどのくらいおられるのでしょうか。臓器移植でも大きな役割を果たすコーディネーターについての現状と、今回、埼玉医科大学病院の搬送が香川県の消防ヘリコプターによってなされていましたが、愛媛県の消防防災ヘリコプターを使わなかったのはなぜでしょうか、お尋ねをいたします。  次に、国民、県民ともに死亡原因の断然トップを占めておりますのががんでありまして、これについてお尋ねをいたします。  このことにつきましては、昨年の9月定例会の質問でも取り上げてまいりましたが、国におけるがん対策基本法がいよいよこの4月から施行となります。このことを踏まえまして、近い将来は2人に1人はがんで死ぬことになると言われています。がん対策について、県民の立場に立って改めてお尋ねをするものであります。  東京大学医学部の中川恵一医師は、世界一の長寿国は世界一のがん大国でもあります。にもかかわらず、日本のがん対策はおくれている。先進国では既にがん登録という制度があり、がん患者が発生したら、がんの種類、進行、治療、後遺症、生存率などの情報を病院が登録をし、最終的には国が管理するようなシステムができています。がん対策を国レベルで講じるための基礎になるものであります。先進国でこの制度をつくっていないのは日本だけですと述べており、さらに、実際のところ年間に何人ががんで死んでいるのかという正確な数字さえわかりません。ただ言われているところの32万という数字は、あくまでも死亡診断書からの数字です。制度的に後進国と言われても仕方のないことですと言われております。  そこで、9月の御答弁で、県は国の基本法に基づきまして、自主的、主体的にがん医療の提供の状況等を反映したがん対策推進計画を作成することとなっている旨のお話がございました。しかも、「本県の特性に応じた計画を策定し、総合的ながん対策を着実に推進していくことが重要である」と温かい御答弁をいただいたのでありました。  特に、私どもが全国の状況について調べてみましたところ、計画のポイントというのは、第1に早期からの緩和ケアの推進、第2に放射線治療の普及、第3にセカンドオピニオンの充実が欠くことのできない視点であると思われます。  そこで、この推進計画の策定に当たり、このことを参酌され、本県の特性に応じた計画をお願いするものでありますが、御所見をお伺いをいたします。  なお、これに関連いたしまして、増加の傾向にある乳がんの早期発見のために、マンモグラフィ検診車による検診を進められておりますが、その実態についてお伺いをいたします。  特に、最近は仕事をされている女性も多く、夜間の検診なども希望されているやに仄聞をいたしますが、どのような状況でありましょうか。  次に、感染症対策についてお尋ねをいたします。  その1は、2月補正にも組まれております新型インフルエンザについてであります。  この費用は、新型インフルエンザ患者が発生した場合、病院建物外でトリアージ、すなわち患者のふるい分けをして、迅速な診断治療をするとともに、感染拡大を防止するための特殊なテントを整備しようとするものであります。  幸いなことに、まだ新型インフルエンザは発生しておりません。しかし、新型インフルエンザに変異をする可能性が高いと言われておりますインフルエンザH5N1型について、国立感染症研究所の田代眞人氏の話によりますと、昨年の9月時点でウイルス学的に感染が確認された患者は241人で、うち141人が死亡したとWHOの報告にある。特に、今問題になっているH5N1型は高病原性鳥インフルエンザと呼ばれ、毒性が強く、感染した鶏などは通常48時間で100%死亡する。カモなど渡り鳥の飛来を中心に、今や全世界に広がりが定着した。我々はこれから数年間か十数年間かわからないが、強毒性の鳥のウイルスが流行しているこの環境の中で生活をしなければならない。まさに時限爆弾の上に座ったままずっといなければならないという状況であると話されております。  新型インフルエンザが発生した場合、欧米では緊急時対応対策態勢として、いざの場合の家庭での準備を書面で周知徹底しているとあります。願うべきもないものではありますが、常識としていざのときの対応の最低限のものは備える必要があると思いますが、御所見をお伺いいたします。  次に、話題性からいいますと、若干下火になっておりますが、エイズ感染についてお尋ねをいたします。  一昨年の7月、神戸市で第7回アジア太平洋地域エイズ国際会議が45カ国から2,700名の参加により開催をされました。その席で国連合同エイズ計画が公表した報告書によりますと、各国が従来どおりの対策を続けておるならば、今後、5年間で新規感染者が1,200万人に達すると警告を発しております。  厚労省エイズ動向委員会によると、昨年10月から3カ月間で報告されたエイズの新規感染者は男女合わせて235人で、過去2番目に多かったと報告しております。すなわち、国内における新たに報告される患者と感染者は1,000人以上に上っているのであります。患者は、診療報酬の制約などから3カ月ほどで次々と病院を変わる、根強い偏見からも行き場のないのが全国的な実態であるということであります。  そこで、本県におけるこれらエイズ感染者の動向と現状はどのようになっているのか、県当局の取り組みも含めお伺いをいたします。  次に、視覚障害者のための情報バリアフリーを推進するため、活字文書読み上げ装置の設置推進を願うものであります。  視覚障害者の方々にとっては、年金の振込通知書あるいは納税通知書など、紙を媒体とする情報を理解するのは極めて大変と言わざるを得ません。現在、こうした視覚障害者の方々のために音声コードと活字文書読み上げ装置による情報伝達が進められております。  具体的に申し上げますと、書面に書かれた文字情報を切手大の記号に変換したものを音声コード、いわゆるSPコードを書面の片隅に添付し、その音声コードを専用の読み上げ装置に当てると、音声で文字情報を読み上げるという仕組みであります。  私ども公明党が社会福祉法人日本盲人会連合会及び日本視覚障害者情報普及支援協会からの要望を受けまして、多くの皆様方の御協力のもとに実現をした施策の一つであります。  この活字文書読み上げ装置は、厚労省の日常生活用具の対象機器であり、自治体などが公的窓口に設置しようとする場合、補助割合は10分の10、全額補助であり自治体負担はゼロなのであります。県庁窓口はもとより、各市町窓口にこれを設置し、愛と心のネットワークの一助にすべきではないかと考えますが、御所見をお伺いをいたします。  次に、農林水産業に関してお尋ねをいたします。  昨年の12月15日、公布、施行となりました有機農業の推進に関する法律が議員立法による法律としてスタートをいたしました。有機農業は、今日まで食育の面からあるいは環境に優しい農法として取り組まれてきましたが、独自の法律がないこともあり、いま一歩の伸びを欠いていたと見られるのであります。  したがって、この法律では定義とか基本理念あるいは国及び地方公共団体の責務、基本方針及び推進計画など、基本的な取り決めがうたわれておるのであります。わけてもこの基本理念の中に、推進については、農業者と関係者が積極的に有機農業により生産される農産物の生産、流通または販売に取り組むことができるようにするとともに、消費者が安易に農産物を入手できるようにすることを旨として行う趣旨の項目があり、国や地方公共団体は、この理念にのっとり総合的な施策を策定し、実施する責務を有するものとするとあります。同時に、県にしましては、この推進計画を定めるよう努めることが要請をされております。  そこで、本県における有機農業の生産実態及び販売の状況についてお伺いをいたします。  また、県は有機農業をどのように推進していくのか、あわせてお尋ねをいたします。  次に、養鶏農家にとりまして最も心配をしておりました鳥インフルエンザについてお尋ねをいたします。  宮崎県から岡山県へと被害地域が拡大したことを受け、国においても対策費が特別に手当てをされるなど、拡大防止に全力を挙げられたところであります。幸い本県における発生はなく安堵をいたしましたが、県内においては2004年にもあるいは2005年、2007年と発生をしており、その予防対策が大変難しいということもありまして心配されておりますが、家畜保健衛生所の皆様初め、関係者の御努力を多としながらも、より有効な対策を願うものであります。  また、ふだんからの注意も含め、養鶏農家の方々はもとより、広く県民がこの変異に対する目を持っていることが大切ではないかと思いますが、対応と御所見をお伺いをいたします。  次に、教育問題について教育長の御答弁をお願いをいたします。  教育は国家百年の大計であると言われますが、教育は生徒のためのものであり、生徒が人間として幸福な人生を過ごすことの基盤をなすものだと思うものであります。今日まで教育の方向づけや教育技術の分野にわたり、中央教育審議会、いわゆる中教審が答申という形で出したものが実施の中枢をなしておりました。  安倍内閣の成立とともに、教育再生のかけ声とともに教育再生会議がスタートし、1月には早くも第1次報告案がまとめられたのであります。内容については、今日までの議論になった事項も多く、変更、見直し、新規など多岐にわたるものであります。  ちょうど昨年10月のこの再生会議の発足に合わせまして、新聞紙上に「極端な競争は義務教育に不適当」という見出しで投稿がありました。その一節の中に、教育は経済性と効率性を重視するだけではなく、会議の軸足を地方に向けて議論をしてほしい。古くから教育は人なりと言われているように、学校現場で真摯に取り組んでいる先生方の気概と士気が高まる議論が今必要であるとの趣旨が書かれています。  今日までの教育行政がだめであるものだとは思いませんが、しかし、かといって完全無謬だとも言いがたいと思います。教育再生会議の第1次報告が出され、中教審でも人事を一新して、その具体化への取り組みが始まりましたが、この報告が実施に移されれば、教育現場への影響も多々発生するものと思われます。  そこで、愛媛教育のつかさとして、県教委は教育再生会議の第1次報告をどのように受けとめておられるのか、御所見をお伺いをいたします。  次に、学校教育について3点お尋ねをいたします。  その1は、小学校における英語教育についてであります。  予算議案にも、小学校英語教育推進事業費として844万円が上程をされております。この件につきましては賛否両論があり、それぞれの主張が展開をされております。例えば、東京都の石原知事は、全くナンセンスだ。国語の教育をやった方がいい。国語に通じなかったら、人間の情操、情念、感情は培われないと述べています。また、「国家の品格」で高名なお茶の水女子大の藤原正彦先生は、著書の中でも触れておられますが、小学校時代に一番大事なことは国語と算数だ。まずは自国の文化や伝統をしっかり身につけることが大事だと新聞紙上で話しておられます。また、東京新聞の社説には、小学校で英語を教えないという選択肢を認めるべきだと掲載するなど、必修化に反対する声もあります。が一方、中教審の外国語専門部会を初め、文科省による調査では、保護者の70%以上が賛成しているとのデータも報告されております。
     そこで、本県におけるこれが小学校における英語教育について、これまでの取り組み状況と今後の対応についてお伺いをいたします。  また、これと関連をいたしまして、教育特区における小中一貫校におけるこの取り組みについて、これはさきの12月の定例県議会におきまして、森高議員より新宮地域における一貫校のあり方についての御質問がなされたところでありますが、先進地であります宮城県の登米市豊里町域では、平成15年の11月28日に特区を認可され、従来の6・3制を3・4・2制に変更し、3を低学年部、4を中学年部、2を高学年部とし、中学年部の1年、すなわち現在の小学校4年でありますが、これから英語教育を実施したということで、生徒は、中学で習う英語を4年生で習えてわくわくする。好きな教科は体育であるが、次が英語だったが、中学では英語が一番好きになれそうだなど、前向きの声が聞かれているそうであります。  そして、何より他の地域よりもこの一貫校をした地域は生徒児童の基礎学力がかなり下回っていると言われておりましたが、この学力調査では、前年度に比べ平均点が小学校5年で19.5点、中学校2年で34.9点と上昇をし、すべての教科で県平均を上回るなど、基礎学力の向上を掲げた数値目標を立てての取り組みが効果が見え始めているということであります。  さらに、学習面だけでなく、昨年度は不登校や保健室登校、また、問題行動を起こす児童生徒がゼロになったことは特筆される効果であると我が党の担当議員は報告をいたしております。  そこで、東・中・南予における中高一貫校が平成15年4月より実施をされ、18年4月よりは従来の中学校が一貫校の高校に入っておりますが、角度も条件も異なるとは思いますが、一貫校の効用は類似点もあろうかと思いますので、これら双方の実態についてお伺いをいたします。  次に、二学期制の導入についてお尋ねをいたします。  1900年、すなわち明治33年の小学校令施行規則公布以来、100年以上の歴史を持つ学校三学期制の見直しや検討が全国的に進んでおります。  文科省によりますと、2004年度時点でこの三学期制以外、すなわち大方は二学期なんですが、この二学期制を採用している公立学校は、小学校9.5%、中学校10.6%で、いずれも前年を7ポイント以上ふえているとあり、また、日本私立中学高等学校連合会が実施をしました私立中高等学校を対象とした2005年度の調査では30%と言われております。  例えば、横浜市では3校を除き公立の512校が、高松では全公立学校が2004年からこの二学期制を実施をしております。特に2006年の4月から、山口県の光市が公立小中学校の中で県下初として二学期制を実施したということで、導入に当たって、「今こそ、教育維新、学校維新」とのスローガンを掲げ、目的として創意工夫による指導時間の確保、2番、確かな学力の向上、3、豊かな心の育成を目指すということで、改革への取り組みは学習指導あるいは評価、学校行事、長期休業、すなわち夏休みでありますが、この活用の4点をということで、学びの連続性に主眼を置いたと述べています。市立の浅江小学校の村上校長は、例年7月というのは通知表の作成や保護者への連絡などで忙殺をされる時期であるが、二学期制の導入でそれがなくなり、児童とのかかわり持つ時間が十分とれた。先生も児童もゆとりを持って夏休みを迎えることができたと高く評価をされております。  そこで、市町の公立小中学校における二学期制の導入についてどのように考えているのか。例えばモデル校をつくって支援をすることなどに取り組んではと思いますが、御所見をお伺いをいたします。  幕末の福井藩の医学者でありました石塚左舷があらわしました「通俗食物養生法」という本の中には、体育も知育も才能育もすべては食育であると認識すべきだとあります。  そこで、この食育の根幹と言えます学校給食についてお尋ねをいたします。  今年1月24日、文部科学省が公表いたしました学校給食費の徴収状況によれば、給食費未納者が9万9,000人、金額にして22億円で、約0.5%の未納率だということで、未納者の理由の60%が保護者の責任感や規範意識の問題だと言い、経済的に払えないと判断したのは33%だとあります。給食代は小学生3,900円、中学生4,500円が全国平均ということであります。もっとも今回が初めての調査であり、比較データはないということでありますが、しっかりと調査をし、収納率の向上を図るべきだと考えます。ただし、経済的に払えない人に対するセーフティーネットも必要だと思います。  調査では、本県の未納率は0.2%で、全国的に最小の部類だということでありますが、実態と対策についてお伺いをいたします。  また、自校方式、センター方式について、あるいは民間委託について、財政的効率化の追求のみならず、子供の食育の根幹とも言えるものでありますが、安心、安全、安定、よい食味等、まさにすべて食育であるとの認識の上に立って、給食事業の円滑な推進を願うものであります。  以上をもちまして私の質問は終わるわけでありますが、私もこの4月の任期満了をもちまして、議員を退くことといたしております。  顧みますと、昭和53年に松山の市議会議員に当選をさせていただきまして、そして2期やりました。そして、昭和61年に衆議院議員に当選をいたしました。そして、今回、この皆さんとともに4期の県会議員の生活を送ることができました。私は長い間の議員の生活を通じて、本当に皆様方との御交誼を結べたことを自分の誇りにして生きていきたいと思っております。  特にこの61年の衆議院選挙は、これはまさに大変な選挙でございまして、今思い出しましても、党員支持者はもとより、広く県民の皆様の御支援を賜りましたことに心からの御礼を申し上げる次第でございます。当時はまだ公明党は野党でございまして、この61年の選挙というのは第38回になりますが、衆参同日選挙でございまして、自民党さんが勝たれまして、我々公明党も社会党さんも大変苦戦をするというような選挙結果でございました。ところが私はそれから3年半やらせていただきましたが、この3年半というのは、非常に日本の議会史上にとりましても大変な出来事のあった年であろうというふうに、今振り返ってみましても思います。  当選したときは、中曽根康弘さんが総理大臣でございました。そして、竹下さんにかわりました。そして、宇野宗佑さんという人にかわりました。この人は非常に短命な内閣でありまして、70日だったと思いますが、で終わりまして、そして海部俊樹さんがなられました。たった3年半の間に、総理大臣が4人もかわるというような、これはすごく政治自体が動乱をしておったという、これはあかしではないのかというふうに思うわけであります。  政策的に見ますと、ちょうどこの年には、中曽根さんのときには例の国鉄の民営化というのが起こりました。これは大変な事柄でございまして、今、郵政民営化がすごく話題になりましたが、当時におきましては、この国鉄の民営化というのもすごいお話であったと思います。  それから、もっと大きかったのが例の売上税という名前での大型間接税の導入でございまして、これは参議院の選挙を左右するようなすごい話題になりました。このとき私どもは野党でございまして、三十何年ぶりだということでありましたが、牛歩というのも私はやりました。牛歩というのをやるから勉強に来いというので私は行ったことがございますが、かかとからおろして親指までどれぐらいで離すかがポイントだというような話がありまして、難しいことをやるものだよと思いながら練習をしたりしてやったことがございます。これも考えてみますと、本当にめったにあろうものではございません。すごい経験をさせてもらったというふうに思っております。  そして、何よりも大きなことは、昭和が終わりまして、そして平成が始まりました。ちょうどこのとき私は現職でございまして、大嘗祭であるとか、あるいは昭和天皇のお通夜が行われまして、それは衆議院が時間を決めて担当するわけであります。1人ずつが担当するんですが、そこへも私は行かせていただきまして、正殿松の間にずっと私1人座ったことがあります。そのときに皇室側も1人ずつその時間を決めてお座りになるわけでありまして、そのときは今、黒田さんになった方が隣に座っていらっしゃいました。  そういうふうなことが、今こうして退くに当たりまして思い出されているわけでありますが、本当にいろいろなことを経ながらも、今日を迎えることができたのは、皆様方の御支援のたまものであると思っております。  特にこの16年間におきましては、知事初め理事者の皆さん方は、本当に懇切丁寧な御説明や取り組みをしていただきました。心から感謝を申し上げます。そして、何よりも議員の皆様方には、先輩あるいは同僚の皆様方、御交誼を賜りまして、御友情をいただきまして、私は心から感謝を申し上げ、本当に皆様方に対する御恩を忘れないようにこれからの人生を送りたいと思っておる次第でございます。  これからは一県民として、角度を変えまして、そして一生懸命自分の立場でしっかりと努力をいたしたいと決意をいたしております。  ちょうど今、美濃部さんがおやめになるときに引用されたという言葉がございまして、これはちょうど陶淵明という人の詩でありますが、「帰りなんいざ 田園将に蕪れなんとす」という言葉を残されました。私自身も残りの人生をまさに何かでお役に立つように頑張りたいと存じております。  皆様方の御健闘をお祈りいたしまして、終わりたいと思います。  本当にありがとうございました。皆さんありがとうございました。(拍手) ○(篠原実議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(加戸守行知事) 議長 ○(篠原実議長) 加戸知事 〔加戸守行知事登壇〕 ○(加戸守行知事) 公明党・新政クラブを代表しての井上議員の質問に答弁いたします。  まず、第3期加戸県政における協働のかぎとは何かとのお尋ねでございました。  私は知事に就任以来、県民の県民による県民のための県政という基本姿勢のもと、県政改革に邁進しているところでございますが、県の危機的な財政状況や県民ニーズの多様化、高度化、地方分権の進展など、県を取り巻きます環境の変化に的確に対応し、県民満足の最大化を実現するためには、県と県民とが協働することが必要であると考えております。  このため、昨年3月に策定いたしました愛媛県構造改革プランにおきまして、県のみでなく、県民一人一人やNPO、企業、市町などが自己決定、自己責任の原則のもと、それぞれの役割を果たしていきますとともに、相互に持てる力を出し合っていく県民との協働自治という考えを提示させていただいたところでございます。  この協働自治の実現に当たりましては、県のさまざまな施策やサービス提供等の企画、立案、実施、評価、改善のそれぞれの過程におきまして、県と県民が協働して改革に取り組むことが必要でございますが、これを進めていくためのかぎは、実践事例を一つ一つ積み上げていくことにあるものと考えております。  具体的には、えひめ夢提案制度の推進、次世代協働ミーティングの実施、アウトソーシングや指定管理者制度等の民間活力の積極的な活用、NPOと県民との協働事業の推進など、県民との協働による施策、事業を実践し、着実に成果を出していくことにより、県民とともに輝くふるさと愛媛づくりへ向け、一層の改革に取り組んでまいりたいと考えております。  なお、余分なことでございますが、井上議員、質問の冒頭に引用なさいました小泉首相の米百俵のことでございますが、私自身にはいささかほろ苦い思い出がございます。と申しますのは、御承知の義務教育費国庫負担金制度の存否が大変俎上に上がっているときの全国知事会におきまして、私は小泉首相に要望させていただきました。小泉総理が登場したときの最初の施政方針演説で米百俵の精神を説かれたので、全国の教育界はもろ手を挙げて歓迎をしたと。今、義務教育国庫負担金問題が俎上に上がっていますけれども、教育をこのように大切にする小泉総理、ぜひともこの制度を堅持していただきたいと、言葉を引用させていただきながら申し上げましたところ、何とお返事は、米百俵は長岡藩という地方での話でございましたので、(笑声)地方において米百俵の精神は発揮していただきたいと、はぐらかされたほろ苦い思い出がございますので、御披露申し上げさせていただきました。  次に、後期実施計画について、今後、どのように推進していくのかとのお尋ねがございました。  後期実施計画では、危機的な財政状況の中、持続可能な県政の維持発展に向け、選択と集中のもと、今回、初めて33の優先施策を選定するなど、限られた行財政資源を優先的、重点的に配分する方針を示すとともに、その推進に当たりましては、分権型社会の視点に立って、市町との役割分担や県民の皆様との連携、協働の一層の促進を図ることとしたところでございます。  スタートとなります平成18年度においては、優先施策の推進に向け、特別枠の活用やゼロ予算事業の導入等にも積極的に取り組んだところでございますが、第3期県政におきましても、後期実施計画を政策展開の基本に置きながら、一層の選択と集中の考えのもと、県民ニーズを十分に踏まえ、時代に即応した真に必要な政策の実現を図ってまいりたいと考えております。  このため、来年度におきましても政策の肉づけを行う6月補正予算において、今年度新たに創設したえひめ元気づくりプロジェクトによる新規事業化等も含め、今回の公約の柱となりました優先施策等を中心に編成を行いますとともに、県民の皆様との連携、協働等による新たなゼロ予算事業にも鋭意取り組みたいと考えております。  なお、計画の取り組みや進捗状況を明らかにするため、優先施策のうち特に重点的に取り組む事業等を紹介した重点プログラムや新たに設定した成果指標の達成状況を毎年公表することとしておりまして、今後とも県民の皆様の御理解や御参画をいただきながら、計画の円滑な推進に努めてまいりたいと考えております。  次に、優先順位のとらえ方についての所見はどうかとのお尋ねでございました。  本県財政が破綻の危機に瀕する中、持続可能な発展に向け、政策の思い切った選択と集中を図ることは不可欠の課題でございますが、その反面、行政サービスの大幅な縮減は県民の皆様に新たな負担と忍耐を強いるものでありますだけに、優先されるべき政策の判断基準を明らかにすることが、県政運営への県民の皆様の理解と協力を得る上で非常に重要なことであると考えております。  第3期県政におきましては、伸びるところはとことん伸ばす、弱っている地域や人をみんなで支えるという2つの視点で政策の選択と集中を図りたいと考えておりますが、その気持ちは県民の皆様のさまざまな暮らしや営みを物心両面から支えたいというものでありまして、井上議員お話のございました生命の尊厳という崇高な目標からいえば、いささか面映ゆい思いはございますものの、人間そのものをとらえた基準ではないかと考えております。  今後ともこの視点を集大成した輝くふるさと愛媛づくりに邁進する覚悟でありますので、御理解と御支援をお願いしたいと存じます。  次に、全国知事会の道州制に関する基本的な考え方についての見解はどうかとのお尋ねがございました。  道州制につきましては、安倍政権のもと、この3年内に道州制ビジョンを策定する方針が示され、急速に具体的な検討が本格化することを踏まえ、去る1月に開催されました全国知事会議におきましては、地方分権推進の立場から、全国知事会の統一見解として、道州制に関する基本的考え方が取りまとめられたところでございます。  その議論の過程におきましては、井上議員がお話ございましたとおり積極論と慎重論とがございまして、地方分権型の道州制の必要性についてはおおむね理解が得られていると感じております。  なお、慎重論の立場からは、道州制のメリット、デメリットを十分に検証すべきであるとか、現時点で知事会として道州制ありきの方向を出すことで、その結論のみが国に利用され、その結果、地方が望む地方分権型の道州制とは異なり、国の権限を強く残した道州制となってしまうおそれがあるなどの意見が出されております。  取りまとめに当たりましては、これらの慎重論に配慮して、当初案が一部修正されるなど、全国知事会としてのスタンスが多少後退した感があることは否めませんし、残念なところはございますものの、結果として全国知事会が地方分権の究極の姿が道州制であることについて共通の理解が得られ、結束できたことは、評価に値すると考えております。  今後は、私自身も道州制推進論者としての確固たる信念に基づきまして、全国知事会や四国知事会等において、あるいは国などに対しまして、地方分権型の道州制の早期実現を強く訴えてまいりたいと考えております。  なお、お尋ねの内政事務につきましては、現在のところ、外交、防衛、司法などを除き、内政に関する事務は基本的に地方が担うこととすべきとの大枠の整理にとどまっております。一方で、社会保障や義務教育などにおいて国が果たすべき役割も大きいのではないかとの意見もございますし、引き続き全国知事会等において、国と地方の役割分担等についてさらに議論を深めたいと考えております。  このたび井上議員におかれましては、長年の政治活動にピリオドを打たれる由でございます。これまでの県議会におきましての多大なる御貢献に感謝申し上げますとともに、今後とも、議員OBとしての立場からの御助言を賜れば幸いでございます。  その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。 ○(讀谷山洋司総務部長) 議長 ○(篠原実議長) 讀谷山総務部長 〔讀谷山洋司総務部長登壇〕 ○(讀谷山洋司総務部長) 井上議員にお答えいたします。  道州制と市町村合併に関する御質問のうち、本県における合併後の住民意識について調査をしているのか。また、今後の合併推進に関する所見はどうかとのお尋ねでございますけれども、合併後のそれぞれの市町におきましては、新たなまちづくりに懸命に取り組んでおられるところでございますが、三位一体改革によります地方交付税の削減などにより厳しい行財政運営を強いられておりまして、合併の効果を住民の方々が実感するには、もう少し時間を要するのではないかと考えられますことから、現時点では県独自で合併後の住民意識調査は行っていないところでございます。  しかしながら、住民が地域の将来に明るい展望を持つことができ、合併してよかったと言われるまちづくりをさらに推進するためには、合併に対する住民意識の把握は大変重要であると認識しておりますので、今後、機会をとらえて調査することにつきまして、市町の意向も踏まえながら検討してまいりたいと考えているところでございます。  また、今後の合併の推進につきましては、それぞれの合併市町では行政運営の効率化や一体的なまちづくりを進める体制が整いつつあると認識しておりまして、当面は、県としましても新しいまちづくりの取り組みを見守りながら支援していくこととしておりますが、今後、道州制等の社会経済情勢の変化を見据えた再度の合併や将来的なまちづくりを考えてのより大きな合併が必要であると認められます場合には、実際には、その時点におきます国の法律上の支援スキームなども考慮する必要はございますけれども、市町の自主的な合併の取り組みを支援していきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 ○(藤岡澄企画情報部長) 議長 ○(篠原実議長) 藤岡企画情報部長 〔藤岡澄企画情報部長登壇〕 ○(藤岡澄企画情報部長) 井上議員にお答えをいたします。  政策展開についてのうち、知事をトップに全庁的な視点から政策審議を行うシステムを導入する考えはないのかとのお尋ねでございました。  井上議員御指摘のとおり、大きな時代の変革や地方自治体を取り巻く環境の変化に対応して、的確、迅速な政策展開を行うためには、全庁的な視点に立った政策審議が必要であると考えております。  このため、県では平成17年度に知事を初め五役と本庁や地方局の部長級職員で構成いたします政策企画会議、これを新たに設置いたしまして、そこで後期実施計画の策定や国への重要施策要望項目の決定などの部局横断的な課題について、全庁的な視点に立った議論のもと、政策判断や合意形成を図りますとともに、えひめ夢提案、ゼロ予算事業、広告事業の導入、えひめ元気づくりプロジェクトの推進など、新たな政策課題にも迅速に対応してきたところでございます。  今後、本格的な地方分権が進む中で、地方公共団体はこれまで以上にみずからの責任と判断で必要な施策を立案し実行することが求められますことから、本県においても職員一人一人の政策立案能力の向上を図るとともに、政策企画会議についても戦略的な政策審議の場としてより一層の機能強化を行い、厳しい財政状況においても、いたずらに萎縮することなく、政策を軸とした本来の県政運営ができるよう努めてまいりたいと考えております。  なお、お話の知事直属の新たな組織づくりにつきましては、一方で組織のスリム化、定員削減を進めなければならない観点もございまして、貴重な御提言として、今後の検討課題とさせていただきたいと考えております。  以上でございます。 ○(濱上邦子保健福祉部長) 議長 ○(篠原実議長) 濱上保健福祉部長 〔濱上邦子保健福祉部長登壇〕 ○(濱上邦子保健福祉部長) 井上議員にお答えをいたします。  臓器移植問題に関しまして、宇和島徳洲会病院等の腎移植問題に関する県の対応はどうかとのお尋ねがございました。  この問題につきましては、現行の臓器移植法の想定外の事案であり、医療法に基づく権限の範囲内での行政指導しか行えないという制約のもと、厚生労働省と緊密に連携して、宇和島徳洲会病院に対し、病気腎移植に関する専門委員会を設置すること、また、設置に当たっては外部の専門医師等をふやすこと、病院管理者として適切に管理を行うこと、専門委員会等の開催結果及び病院腎移植の最終結果について報告すること等について指導を行いました。  また、新たな病気腎移植が判明した市立宇和島病院に対しましても同様な指導を行い、現在、両病院において、専門委員会で病気腎移植の是非についての医学的な検証が行われております。  今後、厚生労働省はこの調査結果等を踏まえた日本移植学会倫理指針の見直しを受けて、臓器移植法の運用に関するガイドラインを見直すこととしており、県といたしましては、新しいガイドラインが示されれば、関係医療機関の指導等について、国とも連携し適切に対応してまいりたいと考えております。  次に、脳死判定による臓器移植に関して、まず、県下における臓器提供意思表示カードの現状とその推移はどうか。また、移植を希望している人はどのくらいいるのかとのお尋ねがございました。  県におきましては、10月の臓器移植普及推進月間中の街頭キャンペーン等により、現在までに累計で70万枚の意思表示カードを配付しております。意思表示カードにつきましては、登録制度ではないため、県下の所持状況等は明確ではありませんが、平成18年11月に国が実施した臓器移植に関する世論調査によりますと、意思表示カード等の周知度は66.4%で、実際の所持状況は7.9%となっており、2年前と比べて若干低下しております。  県では、意思表示カードにかわる保険証、免許証へ貼付する意思表示シールの普及も進めておりまして、今回の県立新居浜病院における脳死下での臓器提供を機に、意思表示カードやシールの所持率をさらに高めるよう、県民への普及啓発を図ってまいりたいと考えております。  また、移植を希望し、県内医療機関を通じて日本臓器移植ネットワークに登録している患者は116人で、すべて腎臓の希望者でございます。これは、県内医療機関では施設としての移植の実績や移植実績のある医師数などの制約があり、脳死下での移植は腎臓しかできないことから、腎臓移植の希望患者しか把握できないことによるものでございます。  次に、臓器移植で大きな役割を果たすコーディネーターの現状はどうかとのお尋ねですが、現在、本県においては臓器移植の推進を図るため、衛生環境研究所に臓器移植支援センターを設置いたしますとともに、専任の臓器移植コーディネーター1名を配置いたしております。  今回の県立新居浜病院における脳死下での臓器提供におきましても、本県のコーディネーターが中心となって、社団法人日本臓器移植ネットワークのコーディネーター等と連携を図りながら、臓器提供意思表示カードによる本人の意思の確認と家族の承諾、提出手術の連絡調整、搬送の手配などを行ったところでありまして、大変重要な役割を果たしたものと考えております。  その結果、県立中央病院を初め5病院において臓器移植が適切に行われ、臓器提供を受けた患者の皆さんの経過は順調であると聞いております。  次に、県外への臓器搬送に本県の消防防災ヘリコプターを使わなかったのはなぜかとのお尋ねでございますが、今回の事案につきましては、県外への臓器搬送が必要であったため、臓器移植コーディネーターから愛媛県に対し、消防防災ヘリコプターの出動要請を行ったところでございます。しかし、本県の消防防災ヘリコプターは、現在、10年に1度のエンジンオーバーホールを含む長期の定期点検中であることから、四国4県で締結している運航不能時の相互応援協定に基づき、本県から香川県に応援要請を行ったものでございます。  次に、がん対策に関しまして、まず、がん対策推進計画の策定に関する所見はどうかとのお尋ねがございました。  県では、がん対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、来年度、がん対策基本法に基づくがん対策推進計画を策定することとしております。  推進計画におきましては、基本法に掲げるがん医療の地域間格差の是正、患者本人の意向が尊重される医療提供体制の整備という基本理念を踏まえつつ、予防や検診の推進、医療従事者の育成や医療提供体制の整備、患者及び家族に対する情報提供や相談支援の充実など、今後、本県において推進すべき施策等を定めることといたしております。  また、策定に当たっては、本県のがん医療等の現状を十分に考慮いたしますとともに、保健医療関係者はもとより、県民の皆さんの御意見を反映させるなど、本県の実情に即した実効性のある計画にしたいと考えております。  なお、井上議員御指摘の緩和ケア、放射線医療など、専門医療の普及やセカンドオピニオンの充実は、いずれもがん医療において、今後、重点的に取り組む課題でありまして、その実現のための具体策を十分検討して推進計画に盛り込むことにしたいと考えております。  次に、乳がん早期発見のためのマンモグラフィ検診車による検診の実態はどうかとのお尋ねですが、本県における平成16年度のマンモグラフィによる乳がん検診の受診状況は、受診者数1万4,887人、受診率5.4%で全国23位でございました。国は、平成19年度までに受診率を50%にすることを目標としておりまして、県では昨年度、県内の2検診機関にマンモグラフィを搭載した検診車2台を追加整備いたしまして、県内全域でマンモグラフィ集団検診が受けられるよう体制を強化いたしました結果、平成18年度の受診率は20%となる見込みでございます。  なお、多忙な女性が受診しやすい環境をつくるため、14市町では日曜検診日を設けており、ほかにも予約制を取り入れ待ち時間をなくすなど、各市町で努力されているところでありまして、夜間検診につきましては、今のところ実施する予定はないと聞いております。  今後は、検診機関でのマンモグラフィ装置の整備をさらに進めますとともに、集団検診に加え、各人が希望する日に受診できる個別検診が選択できるよう、市町の積極的な取り組みを促すなど、受診体制の充実と受診率の向上に努めてまいりたいと考えております。  次に、感染症対策に関しまして、まず新型インフルエンザに関する緊急時の対応体制についての所見はどうかとのお尋ねですが、井上議員御指摘のように、新型インフルエンザ発生の危険性が高まっておりますため、県では国の行動計画に沿って、平成17年度に愛媛県新型インフルエンザ対策行動計画を策定し、県が具体的にとるべき行動を定めております。また、抗インフルエンザウイルス薬タミフルの備蓄を進め、今年度は6万1,000人分を購入し、来年度も同量の購入を予定しておりますほか、万一患者が発生した場合、病院の建物外で患者のふるい分けと迅速な診断治療を行うための特殊なテントを整備するなど、感染防止対策に努めているところでございます。
     さらに、国では行動計画を補完する新型インフルエンザに関するガイドラインの策定を進めておりまして、この中に個人及び一般家庭における具体的な対策や地域における正確で迅速な情報伝達網の整備などが盛り込まれる予定と聞いております。  県といたしましては、今後、ガイドラインの策定を受け、関係機関や県民にその内容を周知し、実行を促すなど、適切に対応してまいりたいと考えております。  次に、本県におけるエイズ感染者の動向と現状はどうか。また、エイズに関する県の取り組みはどうかとのお尋ねでございました。  本県では、平成18年中にエイズ患者1名とエイズウイルス、いわゆるHIV感染者6名の届け出があり、累計では患者22名と感染者37名の計59名となっております。平成12年以降、毎年5ないし9名の患者と感染者の届け出があり、中四国ブロックの中では多い状況が続いております。  その対策といたしまして、感染予防のための啓発活動及び差別や偏見をなくすための街頭キャンペーンを実施しておりますほか、平成17年度は四国で初となるHIV抗体検査の迅速検査法の導入、平成18年度からは12月のエイズ予防週間に加え、6月にHIV検査普及週間を定めて、各保健所での夜間・休日等の検査相談窓口を開設するなど、検査体制の充実に努めております。  また、エイズ診療体制につきましては、愛媛大学医学部附属病院を指導病院と位置づけますとともに、エイズ診療ネットワーク会議を開催することによりまして、他の県内19カ所のエイズ診療拠点病院と連携協力できるネットワークを構築しておりまして、エイズ感染者がどこでも安心して医療を受けられる体制を整備しているところでございます。  最後に、活字文書読み上げ装置の県庁、市町窓口への設置について所見はどうかとのお尋ねがございました。  お話の活字文書読み上げ装置につきましては、視覚障害者の情報バリアフリーの推進を図り、社会参加を促進するための情報提供手段として有意義なものと考えておりまして、県では既に視聴覚福祉センターに設置し、視覚障害者の方に御活用いただいているほか、センターだよりやセンターの催し物の御案内等について、音声コードを添付し情報提供を行っているところでございます。  今回、障害者自立支援対策臨時特例交付金事業として、自治体や公的機関への活字文書読み上げ装置や音声コード作成ソフトの導入が新たに補助対象とされたことから、関係団体の意見も踏まえながら、県及び市町の窓口への設置について検討してまいりたいと考えております。  また、活字文書読み上げ装置につきましては、これまでも日常生活用具給付等事業の一つとして、視覚障害者本人へ給付がなされておりますが、当該制度の普及啓発についても再度周知徹底したいと考えております。  以上でございます。 ○(高浜壮一郎農林水産部長) 議長 ○(篠原実議長) 農林水産部長 〔高浜壮一郎農林水産部長登壇〕 ○(高浜壮一郎農林水産部長) 井上議員にお答えします。  本県における有機農業の生産実態及び販売の状況はどうか。また、県は有機農業をどのように推進していくのかとのお尋ねでした。  本県における有機農業の取り組み状況でありますが、個別農家を中心に120戸、栽培面積は水稲、果樹、野菜など約88haとなっておりまして、総作付面積の0.2%程度にとどまっております。  また、有機農業による生産物はこだわり商品として、生活協同組合や産直市、学校給食への出荷のほか、インターネットを通じた個別販売などが行われておりまして、一般の農作物に比べて高い値段で販売をされております。  有機農業の推進に当たりましては、労働時間や資材コストが増加をしたり、収量や品質が不安定になるといった課題を克服する必要がございますが、農業生産活動に伴う環境への負荷を低減する農法でありますし、また、消費者ニーズに即した取り組みでもありますことから、本県では、愛媛県環境保全型農業推進基本方針の中に位置づけまして、栽培技術の研究開発と普及推進に努めているところでございます。  この基本方針は、今年度中に見直しを行うこととしておりまして、その中で新たに平成22年を目標とした有機農業の栽培面積の数値目標を設定をいたしまして、一層の普及定着などに努めることにしております。  また、議員お話の推進計画の策定につきましては、国が3月中に定めます有機農業の推進に関する基本方針、この内容を見きわめました上で検討をしてまいりたいと考えております。  次に、鳥インフルエンザ対策に関する対応と所見はどうかとのお尋ねでした。  高病原性鳥インフルエンザは世界的に蔓延し、我が国においても毎年のように発生が見られております。このため、国は平成16年に高病原性鳥インフルエンザに関する特定家畜伝染病防疫指針を定めて、発生時等における防疫対策を講じることにしております。  本県におきましても、この指針に基づきまして家畜保健衛生所職員による養鶏農家への立入検査を初め、感染源と考えられる野鳥の侵入防止対策、異常鶏の早期発見と早期届け出の徹底、緊急的な消石灰による一斉消毒などを実施する体制としておりまして、今回もこれらの対策を迅速に実施したところでございます。  このほか、毎年、市町、農協などの関係者が参加をした防疫演習を開催をいたしますとともに、万一本県において発生した際には、直ちに本庁及び各地方局に対策本部を立ち上げられるよう体制を整備しておるところでもございます。  また、お話のように養鶏業者だけでなく、広く県民が愛玩鳥や野鳥の異変をできる限り早く察知し、通報をしていただくことが蔓延防止を図るための重要な第一歩となりますことから、県や市町の広報媒体を通じまして、鳥の異変の見分け方や家畜保健衛生所への通報の重要性など、正しい知識や情報の提供に努めてきたところでありまして、引き続いて的確な情報提供に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(野本俊二教育長) 議長 ○(篠原実議長) 野本教育長 〔野本俊二教育長登壇〕 ○(野本俊二教育長) 井上議員の代表質問にお答えをさせていただきます。  教育問題につきまして、教育再生会議の第1次報告をどのように受けとめているのかというお尋ねでございました。  安倍内閣においては、21世紀の日本にふさわしい教育体制を構築し、教育再生を図るために、教育改革を内閣の最重要課題と位置づけまして取り組まれておりますことに対しましては、敬意を表したいと思っております。  お話の教育再生会議の報告では、7つの提言と4つの緊急対応が示されておりまして、特に初等、中等教育を中心にさまざまな提言が盛り込まれておりまして、それぞれ現在、教育が抱えております重要な問題について方向づけをしようとしていることや家庭教育など、社会総がかりで国民的参加を求めている姿勢につきましては、一定の評価をしているわけでございますけれども、これらの提言を実際に具体化していくことになりますと、これまでの教育のあり方が大きく変わり、教育現場の混乱も懸念されるものも見られますことから、今後、さらに地方や学校現場の意見などを十分踏まえた慎重な議論を重ねていただきたいというふうに思っております。  具体的に申し上げますと、例えばゆとり教育を見直し授業時間を増加することや基礎・基本の反復徹底と応用力の育成に取り組むこと、また、安心して学べる規律ある学習環境を整えること、子供たちに規範を教え社会人としての基本を徹底することなどにつきましては評価したいわけでございますが、一方で、市町教育委員会への教員人事権の移譲や教員免許更新制の導入の手法、教育委員会の外部評価制度の導入など、教育委員会のあり方そのものの見直しや教員採用に当たりまして20%の特別免許状を授与する目標、これはいわゆる民間人を20%採用せいということでございますが、その目標の設定などは実施面で問題点も多く、直ちには賛同しがたいものもございます。  現在、この報告を踏まえまして、中央教育審議会において具体的な制度改正の審議が進められているわけでございますが、今後、私どもといたしましては、全国教育長協議会を通じまして、現に地方教育行政を担当している立場から、問題点にはしっかり意見を述べるなど、必要な対応に努めてまいりたいと思っております。  次に、小学校の英語教育につきまして、これまでの取り組みと今後の対応はどうかというお尋ねでございました。  小学校では、平成14年度から総合的な学習の時間の中で国際理解教育の一環として英語の学習を行うことができるようになりまして、本県でも99.7%ということですから、ほとんどの小学校で簡単な英会話などを体験する活動を導入しております。  現在、中央教育審議会教育課程部会の中で、この英語を小学校で必修とするか否かにつきまして審議がなされているわけでございますが、お話のとおり賛否両論がありまして、流動的な状況にあります。  このため、県教育委員会といたしましては、国が導入を決定すればやらなければならなくなりますので、今後の国の動向を注視しているところでございますけれども、基本的には小学校では全体の授業時間の制約もありますので、まずは日本語をしっかりと身につけて、自分の考えや意見を表現できるよう国語力の向上に努めていくことが第一と考えておりまして、そのことに軸足を置いた取り組みを進めていきたいと考えております。  御指摘のございました来年度実施予定の小学校英語教育推進事業は、文部科学省の委託事業といたしまして全国一斉で行われるものでございますけれども、本県では9校を拠点校に行うこととしておりますが、これは中学校の英語の授業を小学校へ前倒しするということではなくて、あくまでも異なる文化を持った人々とともに交わり生きていく基礎的な資質や能力を育成するということを目的といたしまして、現在、既に行われております英語活動の質をさらに高めていく内容にしたいと考えております。  次に、中高一貫校の効用などの実態はどうかというお尋ねでございました。  本県における中高一貫教育校は、導入して4年目に当たる今年度から中等教育学校に移行したところでございますが、各校におきましては、生徒一人一人の個性や才能をぐんぐん伸ばすということを統一目標といたしまして、6年間を2年間ごとに基礎期、充実期、発展期に分けた計画的な、また、継続的な指導を行っておりまして、各学校独自の教科の設置や英語力を重視した講座、英語キャンプなどの実施、奉仕活動や社会福祉活動の充実、中学生と高校生合同の部活動、中学3年次には高校の先取り学習を行うなど、一貫校ならではの教育活動を実践しているところでございます。  これまでの成果の例といたしましては、学習面では、いろいろなデータから確実な基礎学力の定着が見られておりますほか、例えば漢字検定や英語検定でも3級以上に多数合格しておりますし、また、部活動におきましては、今治東のソフトテニス部が四国選抜大会で優勝したり、松山西ではNHK杯の学校放送コンテストで最優秀賞になるなど、スポーツ、文化両面でも成果を上げてきております。また、生活面では、問題行動や不登校の件数も国や県平均を下回るなど、落ちついた学校生活を送っているということなどを挙げられると思っております。  これら今後とも中高一貫校のメリットを生かしまして、これからの国際社会に貢献できる志の高い人材の育成に努めてまいりたいと思っております。  2年後には、進学や就職面におきましても6年間の成果が初めて問われることになるわけでございますが、何よりも生徒自身が希望する進路をできるだけかなえるということを目標にいたしまして、残り2年間の発展期におきます学力の向上や進路指導に力を入れてまいりたいと思っております。  次に、小中学校におきます二学期制の導入についてどのように考えているのかというお尋ねでございました。  お話の平成16年度の国の調査によりますと、全国の公立小中学校の1割程度が二学期制を実施している状況でございますが、愛媛県におきましては、現在、高校では4校が導入しておりますけれども、2学期制を実施している小中学校はございません。  二学期制の導入は、学校行事や定期テストなどの回数が減少することによりまして、授業時間が確保できるとかゆとりある教育活動が展開できるといったお話のようなメリットがある一方で、定期テストなどの範囲が広がり児童生徒の負担が増加するとか、夏休みや冬休みで各学期が分断されまして、学期の区切りを児童生徒が意識できにくく、学習のリズムが崩れるといったデメリットも指摘されておるところでございます。  この二学期制を導入するかどうかは、市町教育委員会がそれぞれの地域や学校の実態に合わせまして、メリット、デメリットを総合的に判断して決めるべき問題でございますが、今のところモデル校指定の希望も見られないのが現状でございます。  しかし、現状にとらわれず、今後、導入したいという計画につきましては、県教育委員会といたしましても、高校ではもう既に一部導入しておりますので、積極的に支援協力してまいりたいと思っております。  次に、学校給食費の徴収状況の実態と対策はどうかというお尋ねでございました。  先般、国が実施した調査によりますと、平成17年度の本県の未納の状況は、小中学校合わせて128校で402名、未納学は844万円という結果でございました。これを全国と比較いたしますと、学校数の割合では全国平均が43.6%に対しまして愛媛県は25%、また、児童生徒数の割合では全国平均が1.0%に対しまして本県は0.3%であるなど、いずれも全国平均を大きく下回っている状況でございます。  また、この未納の原因につきましては、本県の場合、保護者の責任感や規範意識に問題ありとした割合が7割、残り3割が経済的な問題となっておりまして、この結果は全国とほぼ同じ傾向でございました。  県教育委員会といたしましては、この未納の原因が保護者のモラルにかかわるものが多いだけに、なかなか即効性のある解決策は難しいと思われますけれども、各市町教育委員会等に対しまして、今回の調査結果も踏まえまして、経済的な理由以外で学校給食費を納めない保護者に対しましては、他の者に負担を強いることになりかねない、そういう状況を説明いたしまして支払いを働きかけること、そして経済的に困っている保護者には、就学援助制度の活用を奨励すること、また、未納への対応に当たりましては、学校全体で取り組むことはもちろんのことでございますけれども、市町教育委員会も自分自身の問題として学校と連携して対処することなどを文書で通知をしたところでございまして、市町教育委員会におきます未納問題の解消に向けた取り組みに対しまして、今後も適切に指導、助言してまいりたいと思っております。  特に私は、この未納金の回収に担任の教員が協力するということはもちろん大事なことだと思っておりますけれども、教員にしわ寄せが行ったり過大な労力や負担をかけるというふうなことのないように、この機会に行政としてのしっかりとした体制をつくってほしいというふうに願っております。  また、最後に御指摘がございました給食を通じた食育の向上につきましては、これからも大いに努力をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  以上でございます。     ――――――――――――――――― ○(篠原実議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。  明6日は、午前10時から本会議を開きます。  日程は、全議案に対する審議の続行であります。  本日は、これをもって散会いたします。      午後2時22分 散会...